ゲスで怠惰なブログ

ゲスな私が日々考えたことを書いてみます

【PTAの闇】ベルマークはもはや狂気がないと続けることはできない

数年前のコロナ禍、子供の小学校でPTAのとある部門の代表(くじで引き当てた)をやりました。そのときに知ったベルマークの狂気について、多くの人に知っていただきたい。

結論から言いますと、私は数々の根回しと会長たちへの説得によりベルマーク廃止に成功しました。どうしたかも書いておきます。ベルマーク廃止を願う学校関係者の方々にも参考にしてほしい。

【ベルマークの恐怖①】作業が膨大

ベルマークは集めてまとめてポイ!っと送れば加算されるわけではありません。

企業ごとに仕分けし、決められた枚数や点数に応じてセロテープでひとかたまりにして台紙に貼らなければなりません。そのように区分けしたうえで、日清◯点、キューピー◯点と、あつめた点数を算出します。

しかもベルマークは基本的に1㌢×2㌢の小さなペラペラのビニールや紙のかけらです…。それをチマチマあつめてまとめて、小さい文字で点数チェックしてテープで貼って…。中には、マヨやチョコなどがべっとりついて、ベタベタしているものもあるそうで、扱いにくいことこの上なし。

量にも寄りますが、平気で半日つぶれたり、各自家に持ち帰りをしたりしたそうです。

【ベルマークの恐怖②】集まる点数超低い

https://www.bellmark.or.jp/storage/2023/04/03/1037199917/9917.pdf

ベルマークの点数は1点1円です。

そして、お菓子や調味料などの日用品についているものはだいたい1~3円。リコーダーや上靴など単位が千円になってくると、50円以上がついたります。

そう、1枚あたりが超低単価なので、100枚集めてもようやく500円程度にしかならないのです…。

しかも先程書いたように、ベルマークを集めて仕分けして点数を出す作業は超大変です。QRコード読み込んで…とかそういうんじゃないのでね!

大人が15人くらい集まってえっちらおっちら作業して、半日後得られたお金は2500円だったそうです。一人当たりの時給に換算してみましょうか。

2500÷6÷15=約27

つまり時給27円くらいの働きだったそうです。

【ベルマークの恐怖③】もらえる商品は限られる

ベルマークを貯めて何になるかっていうと、ボールだのテントだの一輪車だの、学校で使えそうな何かと交換できます。

ただし!!!!自由に商品を選べるわけではありません。

ベルマーク協会が用意したカタログの中から選びます。こういう補助金だの何だの使ってるんだからお安く交換できるんじゃないの?って思う人もいますよね。

違います。むしろ割高です。

PTAで過去にとある高額商品をベルマークで交換したそうですが、インターネットで調べたら、同じような商品がその半額近くの金額で購入できたそうです。

つまり大人が汗水たらして、時給30円にも満たない労働して、割高な商品を買っている。

何をしているんだろうか?

【ベルマークの恐怖④】ただし目的は金じゃない、社会貢献

何無駄なことやってるんだ、こんなの即廃止だろ?って思う方も多いでしょう。

しかし、ベルマークの目的は金ではありません

めざすもの | ベルマーク教育助成財団

すべての子供に豊かな学習環境を与えようよ!という社会貢献的な面がかなり大きいのです。

親が子供のために作業を行い、その副産物としてボールやらなんやらがあったらいいよね…。学校(PTA、児童・生徒)、企業(協賛会社、協力会社)、ベルマーク財団が助け合って、大きな愛を作っていこうね…。みたいな世界なんです。

まぁ実際ね、いくら効率的といっても、「ベルマーク担当になったら一人当たり200円くらい出してね」というのは問題でしょう。ベルマークは、そういう問題行為をすることなく、コツコツ学校で使える金を貯められる唯一の方法であることは確かです。

こんなに非効率で、母親(父もいるでしょうが、圧倒的母親なので敢えてこう書きます)の労働力や人権を無視した作業でも、「子供のため」「学校のため」という名目があるものはとても強い。

こんなんやってらんねーよ!ってなっても、「でも子供や学校のためになるからね」「お金だけの問題じゃないから」って反論ができてしまうのです。

ベルマークなんてやめちまえ

私はPTAになって初めてこのようなベルマークの恐ろしさを知り驚愕しり、ベルマーク廃止のために動き始めました。どのようにしたか詳細を記します。

1.同組織における意思統一

まず、自分と同じ組織の人たちの意見をまとめました。ただ、「まとめる」というのは名目だけのもので、みんなをアンチベルマークにすべくプレゼンしています。

まず、さきほど挙げたベルマークの恐怖①~③をたっぷり熱弁したあとに、ただし④のようなことがあるため、単純に否定できないとおまけとして入れています。そして、私個人の意見ですが…と、「社会貢献の面があるとしても、もっと違う方法を模索するようになってきていると思います」と付け加えて。

まぁそんな空気にしたら、ほとんどの人が「ベルマークは廃止したほうがいいと思う」「同じ時間をかけるなら、もっと子供のためになることをしたい」って意見になります。

稀に「いや、ベルマーク絶対必要!」というベルマーク主義者もいるかと思いますが、その意見も一応拾っておくだけ拾っておけばいいとは思います。下手に反論すると会議が長引くので、否定しないことをおすすめします。

2.代替案の用意

ベルマークの一番のやばいところ「社会貢献」をクリアすべく、模索したところ「ウェブブルマー」というものにたどり着きました。

ご存知の方もいるでしょうが、ウェブベルマークは紙のベルマークの煩雑な作業は一切いらず、個人個人がそれぞれ貯められるベルマークです。

貯め方は簡単で、ウェブベルマークのサイトから楽天などのショッピングサイトに移行し、買い物をするだけです。ちなみにですが、ウェブベルマークを貯めたからといって自分のポイントを貯められないわけではありません。本当に時間もお金もポイントも損すること無く、ベルマーク活動ができます。

貯めたウェブベルマークは自分の学校に寄付してもいいし、被災地にある学校を選んでも構いません。

自由度が上がるぶん、もっと「社会貢献」になっていると思います。

2.根回し

PTAの議題に上げるまえに、先生、校長への根回しも行いました。

先生たちには「ベルマークがとても大きな負担となっています。働く母が増えているなか限界に近づいています」と訴え、「無くてもよい」という言質をとりました。

ここが一番難しいと思います。

校長がベルマーク主義だと詰むのですが、そういう人にはデメリットをぶつけるのではなく、「紙のベルマーク作業がなくなる分、ウェブベルマークの啓蒙活動に時間をつくりたい」、「絵本の読み聞かせ等、同じ時間をかけるならもっと子供たちのためになることをしたいんです!(本当にやるとは言ってない)」といったように、前向きな姿勢を見せるのが良いんじゃないかと思います。

自分はそのつもりでムンムン職員室に向かったら、あっさり「別に無くてもいいですよ~!お母さん大変でしたよね💦」で終わりました。

このへん、めんどくさい校長がいる人の体験談等聞いてみたい。

あとですね、我が校の特殊事例なのですが、一部周辺の学校と提携して行っていることがありまして…。そこについても周辺の学校の担当者に電話し、辞めても問題ないことを確認しておきました。

3.本丸・PTA会議にあげる

自分たちの組織は廃止すべきという意思統一ができている、そして学校も周辺学校からも辞めても問題ないと確認ができている。

その状態でベルマークのデメリットをまとめた資料、代替案としてウェブベルマークの特徴をまとめた資料を持ち込み、会議に望みました。

しかし、うちのPTAは、偉い役職は自ら了承して引き受ける仕組みで、くじで当たっちまった私とは違いやる気に満ちあふれている人たちばかりなんです。じゃあ廃止でいいんじゃない!?ではなく、以下のようなやり取りが繰り返されました。

ここでも前向き作戦を使用しています(この前向き作戦は前担当者からのアドバイスでした)。

Q.そうはいってもベルマークは社会貢献、効率重視で無くしていいものなのか

A.社会貢献であることは我々組織でも十分に把握しているなか廃止を望んでいる
 社会貢献をすることに異議はない、でもやるならもっと子供たちのためになることを模索したい
 ウェブベルマークの啓蒙も立派なベルマーク活動だと思う

Q.学校側は廃止してもいいのか、PTAだけの問題ではない
A.もちろん廃止して大きな問題が出るなら続けるべきだと思う
 ただ現段階では学校側も廃止して問題ないと言っている
 ベルマークは一度辞めても復活できる、どうしても駄目なら復活すればいい

Q.廃止によりなにか影響が起こるのでは?
A.今のところ思いつかない、影響が起きたら対処したい

Q.大変という理由なだけで辞めてもいいのか
A.やりたくないだけではない、本当にためになる社会貢献をしたいと思っている

Q.やりたい人はゼロではないはず、クレームが出たら?
A.全員の了承をとるのは無理であるためクレームが出たら、ウェブベルマーク活動につ   いて周知するなど真摯に対応したい。この一年は私が担当する
 ベルマークの趣旨が無理せずに社会貢献なはず、その趣旨にのっとって無理なく活動していきたいことを伝えていく
 また、今の組織では廃止派しかいないが、組織内でベルマークをしたい人が増えたと  きに再開する選択肢はあることも説明する

 

こんな感じで、一筋縄にいかない結果となりましたが、どの質問にも「もっといい方法があるはずだ(キラキラ)」で乗り切り、多数決により廃止が決まりました。廃止してみたらクレームはゼロでした。ウェブベルマークもコツコツたまっているみたいです。

まとめ・そうはいってもPTAは必要

ベルマーク作業も最初からこんなに毛嫌いされるものじゃなかったはずです。最初は専業主婦がおしゃべりしながら作業をして、友達作りとボランティアの一石二鳥☆彡だったんでしょう。

しかし、あまりにも共働きも多く、平日に時間がある人ばかりではない現代に合っていない。

子供のため、社会のためといっても、100の頑張りに対して1の貢献じゃお互いのためになりません。よりよい方法を模索していきたいですね。

ただ強調したいのは、PTAの存在意義が丸ごとゼロということではないこと。

親が学校内部に入り、先生たちと話し合って学校行事や講演会、地域のあれやこれやを考えていくことは重要だし、必要だと思います。

何でもかんでも無駄だから廃止!大変だから廃止!にしてキチキチの活動を目指すのは賛成できません。

PTAの存在意義は卒業式に胸につける桜のコサージュだけじゃないんですよ。そんなことでブーブー言っている人たち見ていると、PTAエアプ乙~~~~~!したくなります。

ベルマークに関しても、無駄だからやりたくないからやらない!ではなく、お互いにもっと良い方法がないか考えていくことが大切なんじゃないかと思います。そうすることで、ベルマーク原理主義の態度も軟化するでしょうし、PTAのあり方や子供に何が必要か考えるきっかけにもなりますね。

それにPTA活動は大変なだけじゃなく、楽しいこともあります。

学年を超えた知り合いができたり、校長や教頭と顔見知りになれたり。

うちは校長から「〇〇ちゃん、運動会の練習がんばってたわよ!」とか話しかけられるまで仲良くなれました。いい思い出です。(ただね、もう移動しちゃって当時の先生皆いないんだわコレが。このメリットを感じられる期間は思ったより短い)

ただ、楽しく活動するにはある程度の無駄を省くことも必要

そのもっともたるものがベルマークだと思うので、ベルマークに苦しんでいるお母様方は、ぜひ廃止に向けて頑張ってくださいね。

おしまい