ゲスで怠惰なブログ

ゲスな私が日々考えたことを書いてみます

X(旧Twitter)で起こるワーママ専業論争で思うこと

X(旧Twitter)ではよく専業ワーママで、「専業とワーママ」どちらが良いのか、みたいな観点ではなく、お互いの立場の違いや価値観などから戦いが起こっています。トレンドにはよく「専業主婦」がのり、専業主婦に対するご意見・ご感想が活発にやり取りされている印象です。

 

この論争について、2012年、2015年、2023年に子を生んでいる私が思うことを書きます。

価値観は変化している

12年前に子を生んだとき、妊娠や出産を契機に仕事をやめる人は珍しくありませんでした。もちろん仕事を続ける人もいましたし、保育園にはなかなか入れないという話もよく耳にしていました。

ただ、男性が育休を取るというのはめったに聞かず、まだ「イクメン」がもてはやされている感じだったかと思います。

今だと、「育児するのは当たり前なのにイクメンって言うなよ」というところに来ていますよね。

年配の人の中には「保育園に入れるのはかわいそう」という空気もまだあったかと思います。

しかし、2023年では、仕事を辞める人のほうが珍しく、出産で仕事を辞めるというと「なんで?」と聞かれるくらいのレベルになっていると思います。

男性の育休も取る人もかなり増え、1年という長期で育休をとる男性にびっくりすることもなくなりました。

パートなどで扶養内で働くのではなく、フルタイムや正社員の時短で働いている人が多くなっているように思えます。

実際、近所の幼稚園は10年前は1学年100人以上の園児がいたのに、今では50人くらいになり、とうとう今度こども園になるそうです。

逆に、保育園は10年前に比べ増えており、末っ子の進路(笑)のために調べてみると保育ママなど選択肢も増えているように思えました。

たった10年ほどで社会のマイノリティとマジョリティが逆転するほどの変化を遂げているように思えます。

ネットでたびたび起こるワーママと専業の戦い

X(旧Twitter)ではたびたび論争が起こりますよね。私が最近参戦してしまったのが薄井シンシアさんの「バリキャリと育児の両立は一部を除いて無理」発言。

これに対して「無理ではないのに、そんなことは言ってはいけない」という趣旨で反論する人が多く、炎上していました。

私としては、仕事と育児は無理だとキャリア路線を諦めゆるく働くという選択肢をとってますし、「仕事時間が長いと育児するのは本当に大変」と身にしみて感じていますので、このご意見はすんなり受け入れてました。

そして「キャリア路線を降りても、復活できないことはない」という考え方には励まされていたんです。私も諦めずに、今から頑張ってみようと背中を押された気持ちでした。

このとき、「働きながら母親をやることは誰にもできない」とか「働いている母親は育児できていない」みたいなことは1mmも思いませんでした。

しかし、今キャリアを降りずにつなげて頑張っている人にとっては、無理と言われるのはキツかったのかもしれません。あぁこういう考えだから反発するのか、と腑に落ちることもありました。

当たり前ではあるんですが、同じことでも立場によって感じることは異なりますよね。

状況や価値観、立場が違うだけ

そう。当たり前に誰かを傷つけるような意図があるものは論争ではなく、「そりゃだめだろ」で一致して炎上して終わりなんですが、こういった状況や立場が違えば見えることも感じることも異なるようなものは論争が起こりやすい。

「育児でキャリアを降りて、そのときは時間に余裕を持って育児をできるが、子が大きくなったときの再就職には間違いなく苦労する」

「時短、親、シッターを使ってなんとか仕事を続ける。子供は夏休み冬休みも学童になるが、子が大きくなったときに再就職に困らないし、子の進路に資金面で選択肢を広げられる」

そして、その中間のような生き方なのか…。

また、子供がいないけれど仕事を辞め、配偶者と生きる選択肢だってありますよね。どれにするのかは、その人の自由だし、そもそも選択できず、これしかないという状況に追い込まれることも多々ある。

ネットではそのどれかが正解だ!と声高に叫ぶ人が目立ちますが、私は正解は各家庭にあると思っています。

夫婦の片方しか働いておらず、家計は火の車、旅行だって行けないような家庭があったとしても、外野からは見えない事情や苦しい選択があったのかもしれません。

違うだけでは済まないのがネット

でも、「違うだけ!みんな正解だよ!ハッピー!」で終わりにできないのが人間ですよね。

さきほどの薄井シンシアさんの例でも、自分が気に食わないというのではなく「これから働きながら育児をする人のやる気を削ぐ」という人もいました。

誰かのための戦いとなると、そりゃぁ「ほっておく」ってことができなくなるでしょう。難しいもんです。

ただ、もはやワーママはマジョリティ

ただちょっと言いたいのは、もはやワーキングマザーはマジョリティという立場なんですよ。

子供の学校でPTAをしたときも「私は働いてないので、せめて学校活動はさせてください💦」と申し訳無さそうにしている人がいました。年金の第三号も無くなるかもしれません。

まだまだ第一子の世代ではパートのほうが多いくらいですが、もう今では「就職した企業は辞めない、辞めるとしたら転職」となってきているのを感じます。(※薄井シンシアさんが提唱する「バリキャリ」をしているママさんはそう多くはないように思えるので、女性の労働問題が解決しているとは思いません。)

このような世の中で、ネットで攻撃的な方がよく発する「専業主婦はリスキー」という言葉、それって「保育園は子供がかわいそう」と同じくらい余計なお世話だと思います。

専業主婦は再就職するのが難しく、給与を回復させるのに時間がかかるのは事実ですが、それこそ「無理」ではありません。一度辞めたことにより、努力は必要ですが今までにない新たなキャリアを築ける可能性もあるでしょう。

働きながら育児をすると時間がなくなるのは事実だけど、休みの日にきちんと触れ合う時間を取っていけば問題がないことと同じだと思うんです。

それをマジョリティの立場から口出ししてしまえば、かつての「女は若くして結婚して子を生むべき」みたいな意見を押し付ける人たちと変わらない存在になっていると思います。本人たちは事実を言っているだけのつもりかもしれませんが。

みんな自分の攻撃性には無自覚

こういった意見の押し付けや思い込みは、違う立場の人を傷つけるものですが、なかなかこの攻撃性には無自覚なように思えます。むしろ、攻撃しながら「自分は傷つけられた被害者だ」と疑わない人もいるんじゃないかな。

あなたのソレは攻撃になりますよ、と指摘しても「私は被害者だ!攻撃だと言うなんてひどい攻撃、お前こそ真の加害者だ!」となりがちなネット。

ワーママも専業もその中間も、ネットで攻撃的な意見に傷つくかもしれませんが、自分で自分のできることをコツコツやっていきたいものですね。

 

 

※ただ、これは自分にも言えることで。

私ははあちゅうさんを眺め、勝手に意見を垂れ流しています。しかし、大手企業とのコラボが2つも連続して無くなり、元配偶者には離婚後も悩まされ、もはや知名度も人気もだいぶ落ちてしまった人に対して、「いらぬ裁判ふっかけられた」という名目だけで被害者ヅラするのは無理があるように思えてきました。