ゲスで怠惰なブログ

ゲスな私が日々考えたことを書いてみます

迫佑樹著人生攻略ロードマップを読んで

幼少期のころから私の心の中にはおそろしい煩悩が住み着いております。

それは「しょうもない人を見たい欲」です。

この「しょうもない人」の基準は、社会的に見たしょうもなさ、とは少し違います。お金や仕事の有無とはまた別の部分にあります。しょうもない人は結果としてお金や仕事がないときもありますが、お金や仕事がないから見たくなるわけじゃないのです。

なんというか

  • 自分をすごく見せようとしている
  • 人をナチュラルに馬鹿にしている
  • すごそうにすごくないことを言っている

こんな人を見ては「お前ここ変だよ」って言いたくなってしまうんですよね。要は私の性格はあまりよろしくはございません。

そんな「しょうもない人みたい欲」に従って、年末に読んだ本の感想を書いていきます。

迫佑樹著人生攻略ロードマップ

人生攻略ロードマップはどのようにして迫佑樹氏のような成功者になるのかが書かれています。迫佑樹氏は年商10億円であることを全面的にアピールされていて、文中に年商10億円という言葉が9回もでてきます。

(界隈は年商好きですよね。でも彼らのお客さんは年収と年商がごっちゃになっている方々が多いので問題ありません。)

いやでも迫佑樹氏が年商10億円であることを我々読者は植え付けられます。

年商10億円なんてだれでも達成できるものではないですので、いやーすごいすごい。

 

細かいやり方まで出しちゃうとネタバレになるので省きますが、人生攻略するためにすることの大まかな流れは以下のようになっているようです。

 

  1. 種銭かせげ
  2. スキルを得てそれでかせぐ
  3. 発信してファンを得る
  4. 外注化や自動化で自分の作業を減らしていく

 

それに関しての考え方ややり方を分かりやすい文章で書いているので、最後には「よーしぼくも頑張って年商10億!!まずはスキル!発信!!人脈だ!!!」

となる人が増えていくことが想像できます。

なるほど、リプ欄にむらがる方々たちの思想ややり方が似ているのはこういうことにあるんだな、とからくりに少し触れたような気がしました。

そう、この本は、要所要所ふり返ってよく考えなければ、最後には

「よーしぼくも頑張って年商10億!!まずはスキル!発信!!人脈だ!!!」

人間ができあがるようになっているんですよ。

しかも迫佑樹氏はそんな人がまず金を落としがちな

 

  • プログラミング(内容がHTMLの時点でお察し)
  • 動画編集
  • Webライター
  • SNS運用

 

うん万円かかる講座を用意しています。

まるで蟻地獄のような経営手腕をふるっております。素晴らしいですね。

本物の蟻たちはすべって穴の中に吸い込まれているときには必死になって這い上がろうとしますが、この蟻地獄は滑り落ちながら心地よさすら感じさせます。

これで自分たちのスキルは向上し、収入も増えるんだ、そんな希望を持ちながら地獄のなかへと吸い込まれていくのです。いやー、本当に素晴らしい。

気持ちよく滑り落ちていき、年商10億円の夢を見たいという人は、信じて滑っていけばいいと思います。

そんなうまい話あるわけないだろ勢の皆さま、安心してください。つっこみどころが多々あります。

それ、投資?

迫氏は自己投資を猛プッシュしております。文中に出てくる自己投資の単語の数は33回。この本の読者は自己投資のわんこそばを延々と食わされ続けます。

そして自己投資の重要性を運用利益でご説明されています。

 

不動産や株による投資による年利はせいぜい5%で1億円もっていても、たった500万円しか増やせない。一方、自己投資はすごいのです。

以下、引用です。

たとえば1000円の本を読み、その本に書いてあったメソッドを活用して毎月1万円ずつ稼げるようになったとしましょう。すると月利は1000%です。

これ読んで「たしかに!」と思った方もいることでしょう。そして思わず金持ち父さん貧乏父さんをamazonでぽちった情弱も一人や二人ではきかないかもしれません。

でも、本を読んだだけで毎月安定して1万円稼げるようになりますか?

資産運用にカテゴライズするのは無理がないですか?

そんなこといったら、学生のころ、お金をいっさいかけずに始めたアルバイトで月5万円は安定してかせいでいましたが、わたしは月利∞%の投資に成功していたのですか?

もちろんそんなわけありませんよね。

迫氏は学生時代に受けた9万円のプログラミングスクールが今の年商10億円につながっているということも何度も書かれています。夢がありますね。

ただ、それってわらしべ長者的じゃないですか?もしくは風が吹けば桶屋が儲かるでは?

そんな昔話や落語のようなことをビジネス書として出版されても…という感じです。

スキルは身を助けるには賛成、でも…

手に職をつけられれば事業で失敗しても就職という道がある。そのためにも、スキルは重要。これには大いに賛成です。

ただ、それをいうなら一番確実なものは実務経験だとも思うんですよね。決して、スクールに通うことではない。

迫氏はフリーランスプログラマについて書かれていました。

フリーランスのエンジニアの仲介業者であるレバテックフリーランスによると、平均年収862万円だそうです。

しかし公式サイトをのぞいてきましたが、これは2018年7月の結果で、週5日稼働と小さーーーく注記もありました。現在は2021年1月です。この結果を更新できずにいるんでしょうね。本当の平均年収はどのくらいなのでしょうか?

こうるさい上司がいない代わりに助けてくれる同僚や先輩もいないフリーランス。具合が悪くて休んでも、何の保証もないフリーランスフリーランスになれるから安心?どこがじゃ。

それに、レバテックフリーランスの案件見てきましたが、ほぼ必ず実務経験が何年か必要でしたよ。

スクールで独学して、足元みたような案件をちょぼちょぼ行い、企業の一員として役立てるのかどうか分からない状態って全然保険じゃありません。

それだったら、若いうちに就職して、お金をもらいながら仕事を覚えていき、上司や先輩のやり方を吸収して、企業が求めるレベルを肌で感じる、これが一番の保険でしょう。スクールなんていりません。

迫佑樹氏が紹介する成功事例参考にできない説

本書のなかでも迫氏メソッドによる成功者のことが2例紹介されています。

一人目がこちらのお方

twitter.com

迫佑樹氏のMovie Hacksを受講し、2週間後に案件を得たそうです。

現在もブログや動画編集を頑張っておられるそうです。

 こちらのポートフォリオが軽く音ズレしていて、激しく気になりますが、迫氏メソッドでいけばアリなんでしょう。

気になった部分を引用します。

学習開始からたった2週間で、SNSを通して案件をとりました。 

 とあった3行後に

SNSで制作物を公開しながら、Twitter毎日動画を投稿する」という地道な発信を愚直に繰り返したのです。 

 地道に愚直と2週間という短期間が相反してところも、気になります。いったいなんなんだろうか。まあいいです。

ここでは、発信していけば案件を取得できるよ、という章なのですから…。

現在のツイートを見ていると動画編集で消耗なさっているようですが、頑張って頂きたいですね。

二例目が

150万円の案件きまった!というツイートを紹介していました。

この方のアカウント名は書内で出していなかったので、こちらも掲載するようなことはしません。

ただ、この方「SNSなんてしょせんポジショントーク」「俺の稼ぎ方について需要ある?」など、THE情報商材屋なこと言ってます。

※ちなみに先ほどのアヤカさんも「私の成功方法需要ある?コンサルつけようかなー」やってました。

うーーーーん

というか自分の事業関係の成功例がTwitterにおける自己申告ってどうなんですかね。自分を強く見せる傾向のある情報商材屋界隈において、そこ?

受注者側の「迫さんの講座受講者のレベルは高い」というような評判は掲載しないのでしょうか?

迫氏は過去に

 このようなツイートをされてましたね。

期間はどのくらい?

個人で可能なレベルなのそれ?

実務経験もなく、信頼関係もない人間に外注する??

ほんまもんの空港のシステムで500万円じゃきかないでしょ。

まさか空港とは個人の飛行場のことで、500万円とは5万円のことではないでしょうか?

そもそもこのエピソード自体が…

など疑問点が次々に沸いては消えていきますが、これは全部本当だ、インターネッツにウソはないという方はご自由にどうぞ。

やりたくないことをやらずに済む仕組みを作ろうってお前三年寝太郎

本書のなかに、やりたいことを実践するのは難しい。やりたくないことをやらないほうが実用的だ、といった記述が出てきます。

これ危険、まじで危険。

やりたくないことをしないってまんま子宮系の方々のメソッドですよね。

イケハヤ界隈、子宮系の方々の「好きなことをして生きていく」界隈の末路を見たらわかるでしょう。

仕事がなくなり、増えるのは借金だけ。果ては社会的信用まで地に落ち、馬鹿にしていた就職することすら叶わない。

具体例としては、やりたくないことを避けるためにすることを考えよう!と前向きにしていましたが、その目的の過程で「やりたくないこと」がまた産まれるんです。

きちんと現実的な「やりたくないこと」だけを避けられる人には有効かもしれませんが、これをうのみにするのは危険でしょうね。

迫佑樹メソッドをよく見るんだ!!

迫佑樹メソッドによれば、年商500万円にまで達するためには複数の事業をまわしているようです。

そこは納得です。オンラインでの業務だけではなくオフラインにも柱をつくっておく、そうすることで家屋の倒壊を防ぐ。投資においても分散投資は重要です。

そこは見習うべきところですね。

そうそう。現在の迫氏の成功は資金を回して、事業を増やしてきた、というところが重要です。で!!その肝心の増やし方や事業を成功に導く方法は実は書いていないんです。

 

スキルを得る方法(要は、俺がやってる講座受講しろ)

資金ゼロから資金を得る方法(要は、普通に働く)

 

ということは具体的に書かれていますが、事業をどう増やして利益を得るのか、信頼できる人脈の見分け方、発信で特別になる方法、などはもんやりです。

まぁ、それは当たり前でしょうね。これができたら苦労はしませんから。はっきりとしたメソッドなんてあるわけないんですよ。そこを責めるのはお門違いです。

私がつっこみたいのは、そこをはっきりできないくせに「人生攻略ロードマップ」なんて本を出して、情弱たちにかなわない夢を提供している、という部分です。

 

この本を読んで、年商10億円になりたいからとなんちゃらHacksを買おうとした人にいいたい。

 

よくよく読んでくれ。迫氏自身がスクールで学んだプログラミングスキルで得たお金は時給1500円、年収70万円なんだよ。

そこで得た金を元手にいろいろやっての年商10億円なんだよ。

 

あなたがなんちゃらHacksでほしいものは、時給1500円、年収70万円なのか?

 

ネットの与太話を信じて、150万円や500万円の案件ゲットをめざすのか?

 

フリーランスプログラマになるには実務経験が必要だって知ってた?

 

Webライターや動画編集なんて下請けで、すごーーーく頑張って時給2000~3000だって知ってる?

 

Webライター界隈はちょっと知っているけど、育児や介護などで外で働けないから扶養範囲内でやってる、って人すごく多いよ。

 

年商10億円をめざすための種銭が必要なら、お金かけなくてもできるバイトでいいんじゃないの?就職したらお金もらいながらスキルもらえるよ?

サラリーマンがつらいという気持ちも分かるけど、フリーランスでも嫌な奴と上手にやってかなきゃならないし、自分が悪くなくても謝らなきゃならないし、自分を殺してクライアントに合わせなきゃならない。

そういうところを見させないで、自由な働き方()につながるから、とフリーランスを勧めるのって、サイコパスにしか思えない。

分かっててやってるのか、自分もできたから大丈夫っしょ的な感じなのかは知りませんが、読者は今一度落ち着いて状況を把握する必要があるのは確かです。

楽しそうに仕事をしているを見本にしたいのなら自分を強く持ち、冷静にならなきゃいけませんね。

 

おわり

 

次回は

人生逃げ切り戦略の対談おもしろすぎだろ

イケハヤ先生の文章力たったの5か…ゴミめ

でもイケハヤ先生は最高

の3本です!ぜってぇ見てくれよな!